47人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの……新手の泥棒ですか? でしたら割とうちお金ない方なんでお帰りいただきたいです」
「ちっ、違います! 僕は本当にお話ししたいことがあって来ただけなんです」
「……何のお話ですか?」
すると男は、床にお行儀よく正座して、コホンと咳払いした。
男につられて私も正座して男に向き合う。
夜の10時に10階の窓からおいでになった、得体の知れない不審者と二人きりで正座って異常過ぎる。
「落ち着いて聞いてくださいね。多分びっくりすると思います。……僕は、神様の使者なんです」
私は再び携帯に手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと! 110番しないでくださいってば!」
……だって、この人明らかにイタイ人じゃん。私より年上に見えるのに、中二病が抜けてないのかな。神様の使者とか何言ってんだ。
神様の使者とかほざいた男は、再び話し始める。
最初のコメントを投稿しよう!