プロローグ

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普通の私が、背伸びしたからだろうか。 身の程知らずだったのかな、やっぱ。 普通な私は、普通なりに、普通じゃないことを求めてた。 突然空飛べるようになんないかなー、とか。 FBIにスカウトされたりしないかなー、とか。 次の日起きたらめっちゃ美少女になってないかなー、とか。 でもこんなの、起こりっこないって分かってるから安心して妄想してられたんだよ。 本当に自分の身に普通じゃないことが起こるなんて……まるで少女漫画の悲劇のヒロインだ。 神様、なんでこんな意地悪をするの。 彼が生きていてくれるなら、別に私、付き合ってなくたってよかったよ。カノジョじゃなくなるくらい、我慢したよ。 私の中から、ずっと後悔が消えない。 ……彼が死んだのは私のせいだって、心のどこかで思っているからだと思う。
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