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本当、なんにも変わらないんだなって思いますよ。
私は、小さくため息をついた。
稜介の死から、まだ1ヶ月しか経っていない。
でも、教室は稜介が死ぬ前の空気を取り戻しつつある。
1ヶ月経ってしまえば、みんな忘れたわけじゃないけど、稜介がいないことに順応し始める。
ああ無情、って感じだわ。
まぁこんなこと言ってる私も、彼がいないことに慣れてきてるふりをしてるんだけど。
人ひとり死んでも、世の中って普通に流れていくもんなんだよね。知ってたけど、実際に経験するとやっぱりなんかやるせない。
「ねぇ、まりあ」
物思いにふけっていると、友達が話しかけてきた。
「んー?」
「言いにくいんだけどね。……矢口死んじゃってからまだそんなに経ってないのに、いなかったらいないなりにみんな日常を取り戻していくんだね。なんか寂しいな……」
「あー……。分かる。私も今、里紗と同じこと考えてた」
「あ、そうなんだ」
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