第1章

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小声で話しかけたのに、稜介は普通の声で返してきた。 担任の先生が私たちをキッ!とにらむ。こっわ! 「……あんたのせいで先生ににらまれた」 「は? 俺のせいじゃないし。共同責任だろ」 「かんっぜんにあんたのせいですー」 その後教室でも「あ、紙飛行機の人だー」と言われ、それがきっかけで仲良くなった。第一印象最悪だったけど。 稜介は口は悪い癖に、困ってる時は絶対に助けてくれるし、悩んでる時は何気なく話を聞いてくれるすごく優しい人だった。誰にでも分け隔てなく接するし。 私がインフルで学校を一週間休んで、そのぶんの授業のノートを渡してくれた時に、もう完全ノックアウト。好きになってしまった。 稜介は学校でも有名で、しょっちゅう告白されるようなモテ男だった。 一方で、私は平凡という言葉を人間の形にしたような平凡な人間。 とても釣り合わないし、叶わない恋をしてしまった……って思ったけど、フラれる覚悟で告白。 そうしたら、なんと返事はOK!……みたいな感じで付き合った次第でございます。 本当にあの時は、幸せすぎて夢みたいだった。
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