第1章

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*** お風呂上がり、自分の部屋でベッドにダイブ。 「ぷはぁー」 いい湯だった……やだな、私なんかおっさんくさい。 布団に沈み込みながら、今日の里紗と雪菜との会話を思い出す。 里紗と雪菜には、言うべきなんだろうか。稜介と付き合っていたこと。……今さら、言えないか。 稜介は、私が稜介と付き合ってることが知れることで、稜介のことを好きな女の子から嫌がらせを受けるんじゃないかと心配して、付き合ってることを秘密にしようと言った。 私は稜介のその気遣いが嬉しかったし、だから学校に私たち二人が付き合っていたことを知っている人はいない。 稜介が死んじゃった今、別に隠す意味もなかったはずなんだけど、私はそれを誰にも打ち明けられずにいた。 誰かに話してしまいたい。誰か聞いてほしい。……だけど、話したらあの事がばれてしまう。
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