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「で?甘いのとか苦いのとか、どうするんだ?」
「あ、えっと…」
そういえば、何も考えてなかった。
どうしよう、どっちがいいのかな。
「真菓だったら、どっちのがいい?」
「俺?俺は甘いほうが好きだけど…お前があげるやつの好み、分からないからな」
好み?あぁ、そっか。
あげる人の好みに合わせればいいんだ。
そりゃそうだよね。
「じゃあ甘いやつがいいな。…ふふっ」
「…そうか」
その人の喜んでる顔を思い浮かべたからか、つい表情が緩んでしまった。
慌てて顔をそらす。
どうやら気付かれなかったみたい。
彼はさっさと次の材料のところへ歩いて行った。
そんな感じで買い物を終える。
量としてはそんなに無いけど、なんかカラフルなものがカゴを埋め尽くしていた。
「会計済ませてきな」
「はーい」
真菓からカゴを受け取り、レジへ。
…今日はお金出してくれないよね。
別に、たかるつもりは無い。
だけど、私が料理を教えてもらうときの殆どは「俺の分も作るから」とか言って半分近く出してくれる。
まぁ、今日は元々全額出すつもりだったからいいんだ。
彼が材料使うって言ってもね。
「さて、帰ろ?…あ、ありがと」
「あぁ」
詰めた袋がかさばって持ちにくい。
とか思ってたら、真菓はひょいっとその袋を取った。
そのままカバンと一緒にかついて歩き出す。
相変わらず、優しいな。
今日は態度が少しだけ素っ気無い気もするけど…しょうがないか。
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