第四章 彼女の秘密

1/3
前へ
/27ページ
次へ

第四章 彼女の秘密

一年前、中学三年になったばかりの宮園咲良は、医師から告げられた言葉に、衝撃をうけた。 呆然となってしまった咲良のかわりに、母親が聞いた。 「先生、今なんと……?」 「非常に申しあげにくいのですが、咲良さんはあと一年しか生きられません」 この人は何を言っているのだろう、と咲良は頭の中で問いかけてた。自分があと一年しか生きられないとか、何の冗談だろうか。だって、この間まで普通に生活をしてきたし、持病とか全くない、健康体だった……はずだ。 だけど、先日体育の時に急に胸が苦しくなり、そのまま救急車で運ばれた。一通り検査を終え、その日は帰宅し、今日検査の結果を伝えられた。 だが、結果はまさかの、余命宣告だった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加