5人が本棚に入れています
本棚に追加
第四章 彼女の秘密
一年前、中学三年になったばかりの宮園咲良は、医師から告げられた言葉に、衝撃をうけた。
呆然となってしまった咲良のかわりに、母親が聞いた。
「先生、今なんと……?」
「非常に申しあげにくいのですが、咲良さんはあと一年しか生きられません」
この人は何を言っているのだろう、と咲良は頭の中で問いかけてた。自分があと一年しか生きられないとか、何の冗談だろうか。だって、この間まで普通に生活をしてきたし、持病とか全くない、健康体だった……はずだ。
だけど、先日体育の時に急に胸が苦しくなり、そのまま救急車で運ばれた。一通り検査を終え、その日は帰宅し、今日検査の結果を伝えられた。
だが、結果はまさかの、余命宣告だった。
最初のコメントを投稿しよう!