第二章 始まりの音

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 そんなある日、 「あれ? 咲良、体育の授業、見学?」 彼女と仲の良い、前田優子が聞いた。 「うん、今日ちょっと風邪気味で……」 と、彼女は苦笑いで答えた。  僕は、その会話を、さりげなく聞いていた。 そういえば、今日の彼女の顔色は、あまりよくない気がする。 透き通るような白い顔が、少し青白く見える。  そう感じていたのは、僕だけではなかったらしい。 「なんか顔色悪いよ。 保健室行ってきなよ!」 「……じゃあ、そうしよっかな」  彼女はそう答え、教室から出て行った。
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