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ゆうみ'S黒歴史
誰にでも、永遠に触れられたくない、踏み込んで欲しくない領、過去があると思う。
でも、過去は消すことは出来ない。
どんな過ちや黒歴史だとしても、それは今の自分を形作っている基(もと)な訳だし……
それも含めて「自分」なんだしね、うん。
↑↑↑↑↑↑
でも!
こんな風に考えられるなら、もう乗り越えたも同然じゃない?
口に出せるって事自体、もうバリバリ前向きじゃん!
……何の話をしているかと言うと、私の黒歴史の事。
この単語。
ピンと来るかな?
要するに……
『無かった事にしたい、或いは無かった事にされている昔の出来事』
私には、これにピッタリ当てはまる黒歴史がある……
忘れたいけれど忘れられないし、無かった事にも出来ないけど、やっぱり、出来れば無かった事にしたい。
思い出すと、ショベルカーで地面を盛大に掘り起こして地球の裏側まで穴を掘ってその中へと逃げたくなる位に恥ずかしい。
なのに。
ああ、それなのに。
何故、呼ばれても居ない飲み会にわざわざ乱入して来た上に、私の過去を暴露されなきゃならないの?
「萩原貴也(はぎわら たかや)――!
シャラーップ!
帰れっ!しっ!しっ!」
居酒屋の座敷の席で、ゆうみはビール瓶の蓋を手裏剣の如く投げ付けた。
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