ゆうみ'S黒歴史

6/25
前へ
/269ページ
次へ
 紗由理が口を両手で押さえ、頬を赤らめた。 「まあっ!……鉄平君ったら!  ご結婚前のイケないアバンチュールかしらっ?」 「ちが、違いますう――ギャアアアア」  昌美は、大池をガッチリと抱き締めて離そうとしない。  大池は助けを求める様にじたばたするが、紗由理はスマホを出してその様子を写メっている。 「な、なにしてんですか――紗由理さんっ」 「うふふふ……記念の写真よ?  鉄平君のアドレスに送ってあげるわね?」 「げっ!そ、そんなもん要りませんよ――!  意味がわかりません――っ」  茂野は、オロオロして貴也の肩を叩いた。 「萩原君?大丈夫かい?顔をあげれるかい?」  ゆうみは、頭突きで乱れた巻き毛を指で直し、ふんと鼻を鳴らして吐き捨てる様に言った。 「いいんですよ課長!  貴也は殺しても死なないしぶとい図太いロクデナシですから!」
/269ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加