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紗由理が口を両手で押さえ、頬を赤らめた。
「まあっ!……鉄平君ったら!
ご結婚前のイケないアバンチュールかしらっ?」
「ちが、違いますう――ギャアアアア」
昌美は、大池をガッチリと抱き締めて離そうとしない。
大池は助けを求める様にじたばたするが、紗由理はスマホを出してその様子を写メっている。
「な、なにしてんですか――紗由理さんっ」
「うふふふ……記念の写真よ?
鉄平君のアドレスに送ってあげるわね?」
「げっ!そ、そんなもん要りませんよ――!
意味がわかりません――っ」
茂野は、オロオロして貴也の肩を叩いた。
「萩原君?大丈夫かい?顔をあげれるかい?」
ゆうみは、頭突きで乱れた巻き毛を指で直し、ふんと鼻を鳴らして吐き捨てる様に言った。
「いいんですよ課長!
貴也は殺しても死なないしぶとい図太いロクデナシですから!」
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