セカンド アタック②

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まだやってんのか。 体育館へ着くと中からボールの音が聞こえてきて、俺は開いていた窓からソッと中を覗いた。 見えたのは、ジャージ姿で一人練習をする鹿島だった。 すげ、真剣な表情。 ドリブルで速攻しかけてそのままシュート。 次は空中でフェイントかけて決めた。 キュッというバッシュの音。 ボールがリングを抜ける音。 ドリブルする音。 全部がいつもと同じ聞き慣れた音なのに、どうしてだろう、ドキドキする。 鹿島が練習してるのなんて見慣れてるはずなのに、どうしてだろう、胸がキュッとなる。 鹿島から飛び散る汗が眩しく思える。 なっ、なんだよ、俺! 何、キュンキュンしながら鹿島なんか見てんだよ!? 鹿島から目が離せなくなっている自分に気づいて、俺は正気に戻れとブンブンと頭を左右に振った。 ちくしょう。 修司が変なこと言うからだ。 鹿島が本命チョコ貰ったなんて、俺にはどうでもいいことなのに。 でも、確かに今の鹿島はカッコいい。 いやいや、俺だってあれぐらいのプレイ出来るし。 つか、男にときめいてる時点でアウトだろ。 騙されんな、俺。 俺が好きなのはフワフワで柔らかくって、何より巨乳な女のコだろ。 あんな走る度に筋肉の筋が出るような男じゃねー! やべ、こんなとこ居たら変になりそうだ。 部室で待つとするか。 あ、でも部室鍵かかってるか? まぁ、そん時は帰ればいいか。 そう思って、俺は体育館を背にすると部室へと向かった。
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