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開いてんじゃん。
部室のドアは鍵がしていなかった。
ったく、不用心だな。
後で叱ってやろ。
部室に入ってベンチに座ると、俺はソシャゲでもやろうとスマホを出した。
確かイベントやってたな。
暇潰しにしているゲームを立ち上げる。
ローディング中の文字が揺れるのを見ながら、ふと鹿島の顔が頭をよぎった。
あいつ、どうすんだろ。
本命貰ったっていう女のコに、明日のホワイトデーお返しすんのかな?
俺が貰ったような、手作り菓子をあげんのかな?
…なんか嫌だな、それ。
あいつの手作り食うのは俺だけでいいっていうか。
あんなの貰って食ったら、もっと好きになるだろその子。
それとも、その子と付き合う気つもりか?
もう俺なんか見切りつけて?
でもそれって、俺が望んでたことだよな。
あいつと変な噂たってるの、めちゃ迷惑してるし、こんな状態じゃ女のコなんて寄ってきてくんねーし。
鹿島が俺から離れても全然平気……だよな?
鹿島が女のコと並んで歩く姿を想像して、俺は胸がチクりと痛むのを感じた。
なんだよ。この胸の痛みは。
さっきからキュンキュンしたり締め付けられたり、これじゃまるで俺が鹿島に恋してるみた…い?
いや、無理無理。
鹿島相手に恋とか有り得ん。
さっきから言ってるように俺が好きなのは巨乳…。
そんな時、ガラッと部室のドアが開いた。
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