4.

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叶多はまともに指を差された。 もしかしないでも親戚ということが陽に疑念を抱かせたということは、ユナが喋ったとはいえ、もとを糺(タダ)せば叶多が暴露したわけで、責任を感じなくもない。 ただし、云い訳すれば、親戚だってことを知られてはいけないなんて云われていないということだ――と叶多はまた自分をなぐさめる。 一方で、黙って聞いていた戒斗は薄く笑った。 「いい目の付け所だ。半端に聞きたいわけじゃなさそうだな?」 「こいつが絡んでるかぎり、あたりまえだ」 「なら渡来、警告だ。いまから話すことはおまえの常識を覆す。世俗の混乱を招く極秘事項だ。首を突っこむなら相当の覚悟をしてもらう。外部に漏らすことがあれば刺し違えることになる。少なくともおれはそのつもりで話す」
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