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「高橋さんのことはべつに警戒していない。ただスクープを狙うっていうジャーナリストじゃないことは知ってる」
「うれしいね。高登はどうなる? 経営的にも芳しくないんだろう? 破綻するには犠牲が大きすぎる。僕も創業者の出ではあるし、いちおう経営責任だけは感じてるらしい」
高橋は肩をすくめておどけた。
「福岡支社にいい人材がいると聞いている」
「ああ、吉川さん――吉川昌紘さんだな? けど、吉川さんの経歴は知ってるのか?」
「ああ。自分の会社を潰すことになった経緯までわかってる。あれは吉川さんのせいじゃない。だからこそのノウハウが活かせるだろ。六十という年齢を考えれば繋ぎってことになるけど、立て直しの時間を五年は稼げる」
戒斗の言葉に高橋はうなずいた。
「僕はいつでも協力するよ」
「ほかにも協力してもらうことがあるかもしれない」
「いつでも」
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