後悔

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白石が朱音に向き直り「千坂博士・・・」と真剣な顔を向けた。 「博士は、放射線に強い生物の研究をしていると聞きます」 「大学のころから10年ほど、そんな研究をしています。それが何か?」 心中、本題に入ったと緊張する。 「是非、廃炉作業に御助力いただきたい」 白石と岩城はそう言うと床に手をつき、深く頭を下げた。 朱音は、白石の髪の薄い頭を見ていた。2人の仕事に手を貸すということは、悪魔の所業を自分の手で行うことになると理解していた。 答えが欲しい。朱音は、遺影を見上げて亡き夫の言葉を求めた。しかし、夫の声が聞こえることは無かった。
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