花見前線

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「あと、2時間ある。まだ、諦められない。諦めたらそこで我々の努力は水の泡になる」  私が力説すると、新兵たちは覚悟を決めたのかただじっと黙って雨が止むのを待った。スマホで天気予報を見てみると6時に止むと出ている。今はそれをただ信じて待つだけだ。 「はい、もしもし。課長」  5時になり雨が降ってることを気にしたのか課長から直々に電話が掛かってきた。流石にまずいな。 「はい、課長。今ですね、雨は小降りで6時くらいにやむかなっと思います。もしもダメでも大丈夫のように店は準備しておきますのでご安心ください」  私が言い終わり、電話が切れると新兵たちが不安がっていた。まだ雨の勢いが弱まることはなく、花見が出来るとは思えない状況だった。そして、不安そうに新兵Aが話しかけてきた。
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