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花見とはそれは新兵たちを育てるのに最適な場所。だが、同時にそれは過酷な戦場で新兵たちに改めて現実の厳しさを教え、失敗すれば上官に愚痴を1年中こぼされる。今回、我々○☆社第二営業部では新兵二人を含む3名で任務にあたっていた。
「何をボケッとしている!早く来い!」
「待って下さいよ。先輩。焦らなくても場所はとれますよ」
そこまで大きくない鞄を肩に掛けながら、走って会社を出る私に新兵Aが後方から口答えする。毎年のように新兵たちを見ているがやはり甘い。現実の厳しさをまだ知らないようだ。
「そんなこと言っても敵さんは待ってくれんぞ」
「敵って誰ですか!?」
「行けば分かる」
新兵Bに言い終えると、私は走る足を更に速めた。それに遅れないように後ろを走る新兵たちに先輩としての見本を見せる。
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