花見前線

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 数分後、駅に着き電車を乗るときには新兵たちは息を切らしていた。電車での移動の間に持ち物確認をする。この時、ブルーシートを忘れていたらどこかで買わなくてはならないためこのタイミングでしか確認できない。大丈夫、今回はあるようだ。  ホッと胸をなで下ろすのも束の間、駅は目的地に着き我々はすぐに電車を降りて、戦場に向かった。 「ここが我々の戦場だ」  我々が来た戦場はまだ完全に咲ききっていないまばゆいばかりのピンク色が制空権を支配し、我々のような兵士達が各々の領土を主張しあう。我々は小さな世界でこれからの3日間を戦わねばならん。 「先輩、どこも空いてませんね」 「当たり前だ」  新兵たちと花見の出来るスペースを探しているが、やはり先客たちが多い。先客たちは明日か当日に花見をするために派遣された兵士達だ。兵士達の多くは疲れ果てていて、何もしていない兵士達が多かった。我々もああなることをまだ新兵たちは分かってないのだろう。やはり、初陣よる緊張で周りが見えてないのだろう。
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