花見前線

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「なあ、啓治。花見の場所を奪うの楽しょー?」  さっき配置したばかりブルーシートでくつろいでいると、啓治は俺に開けたばかりのビールを手渡してくる。それを受け取ると啓治は俺の隣に座った。 「いや~こんなに楽だと毎年ここで花見したいですね~」  俺たちは互いの缶ビールを接触させて「乾杯!」と言ってから飲みだした。二人で笑い声が5分ほど響き渡った時、啓治が突然飲みかけの缶ビールを落とした。 「どうした、啓治。もう酔ってしまったか?」  俺の声に啓治は震えながら首を振り否定する。啓治が見ている方向を俺が見つめると俺は一瞬で啓治がどうして震えているのか理解し、恐怖した。 「けっ、毛虫!?」  木についてる毛虫を見て俺たちはすぐに走り出しこの場をあとにした。毛虫がいるところで花見なんて出来るか!どうしてこの時期に毛虫がいるんだ。俺たちは逃げること夢中で考えるのをやめた。
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