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時間は夕方の5時8分。
ヤバイ!間に合わない!
あたし、宮内美麗は高校1年生。
電車通学で今は駅に向かっている。
「はぁはぁ」
学校から駅までは20分。
走って11分。
あたしが乗ろうとしてる電車は5時18分発。
ヤバイ!普通に間に合わない!
わかってるけど。
わかってるんだけど!
別校に進学した幼なじみの常盤圭太が乗っている電車に乗りたい。
むちゃくちゃ走ってる。
いつ転んでもおかしくないくらい、むっちゃ走ってる。
あたしは圭太が好きだ!
同じ電車に乗って、一緒に帰りたい!
でも、間に合わない!
駅に着いたのは17分。
間に合うかと思った。
でも、
『◯◯行き発車しますー』
私がホームに降りた瞬間、電車のドアが閉まり、電車は発車してしまった。
「はぁはぁ。……まに、あわな、かった」
30秒早ければ!
間に合ったかも知れないのに!
呪われてんの!?
もう、圭太と同じ電車には乗れない。
「なに、してんの?」
「え?」
空から声が降ってきたように聞こえた。
見上げると、圭太が立っていた。
「来なかったから、降りちゃったじゃん」
「け、圭太」
「美麗、汗だらけ。どんだけ、頑張ってきたんだよ」
「別に、そんなことない」
「俺が、美麗を置いて帰るとでも思った?」
「へ?」
「俺、美麗と帰れるの楽しみだから」
あたし、間に合った?
電車に乗り遅れなきゃ、こんなことにはならなかったよね?
あたし、どーしよ。
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