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ヤババババ
(やばい。これはやばい)
今、私は一枚のワープロか何かで打たれた活字を見ながらある者と闘ってる。
時間は半分切った。
(ここで立ったら前にいるおっさんになんて言われるか。
いや、私と同じ状況にいる周りの奴らが何を言うか。
逆に私がここで漏らしたら。
やばいやばい、握てる手が滑ってシャーペンが滑り落ちそうだ。
あぁ、どうすれば。
よし、こういう時は夕飯のことを考えよう。
いや、待て半分ぐらい前に食ったばかりだぞ。
あー、どうすれば。
やばいよ。
動揺してシャーペンの芯伸ばしちゃったよ)
私は机の上でシャーペンの芯を整えて短めにその芯を出す。
そして紙に触れた瞬間、その芯は右側に折れて飛んだ。そしてその近くで物音がする。
(やばいって。
シャーペンの芯で人を倒しちゃったよ。
おい、横の人動かねぇよ。
脈に刺さって死んじゃったとか。
そんなわけねぇよな。
なんか言えよ、って言えねぇか。今の状況は。
うわ、先生来ちゃったよ)
私は紙を見つめるふりをする。
先生はその男子生徒を揺すぶる。
「試験中に寝るな。終わったのか?」
その子は体を起こし首を横に振る。
「お前、後で前に来い」
そう言って先生は先ほどからしてるように教室を静かに回ってる。
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