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いや、待てよ。
私をからかいに来たどこかの生徒か?)
私は声をかけた。
「そんなに笑ってると先生に気付かれますよ?」
笑い声は止まらない。むしろ……増えた。
しかも先ほど止んだノック音がまた鳴り出した。
横の壁からもノック音が響く。
(なんだよ、これ。
ガチで怖いんですけど。
ひとまず拭くか。
あっ……)
私は壁に張り付いてあるトイレットペーパーを見てみたが、そこには芯だけ残ったそれが置かれていた。
しかもなぜか赤い。
(おいおい、これってやばくないか。
ギリギリ入れた場所なのに。
ってか赤いのなんだよ。
血か?絵の具か?
どうでもいいんだけど、どうすんだよ。
拭けねぇじゃねえか。
ズボンのポケットにティッシュあったような)
私は手をスボンのポケットに突っ込んだ。
(ない。
そうだった、机の上に置いてきたままだった。
どうする?)
私は少し考えた。
そして勇気を持ってある決断を下した。
先ほどの故障した方の壁をノックする。するとそっちからノックした音が止んだ。厳密に言えば他からのノック音と笑い声であまり変わらないが。
「そこにある白いトイレットペーパー取って欲しいんだけど……」
あまり反応がない。
(私は何言ってんだろう。
幽霊なんているわけないよなぁ。
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