ヤババババ

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例えいたとしても幽霊が私の指示を聞くわけねぇよな) と思っていたが、違ったようだ。 いきなり物音が激しくなったかと思ったら何かが落ちてきた。 (トイレットペーパー? これ、トイレットペーパーだよな? でも、こんなに濡れてたっけ?) 落された物はトイレットペーパーだった。そのトイレットペーパーは明らかに濡れてた。 (そうか、なるほど。 さっきの物音はトイレットペーパーを取り外して便器の蓋を開けてトイレットペーパーをそこに付けたか。 なるほど……じゃねぇよ。ふざけるな。 どうすんだよ。 トイレットペーパー……) 周りはなぜか静かになっていた。 (おい、どこか行くなよ。 どうすんだよ、この状況……) するとチャイムが鳴り出した。 しばらくして私の教室の先生が来た。 事情を話すと、新鮮で濡れてないトイレットペーパーを私に渡してくれた。 そして無事にそこから出た。 私が濡れたトイレットペーパーを手にしたことに先生は驚いていたが、何も言わずに静かに始末してくれた。 それ以後、そこのトイレは除霊者が来るまで使用禁止となった。 そしてそこのトイレはこう呼ばれるようになった。 七不思議のトイレ『ヤババババ』と。
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