空から女の子が降ってきた

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俺は、ずり落ちそうに泣いている双子の片割れを抱っこしてやると、おもむろに話した。 「実は……金が無い事に気が付いた」 「そうか……」 ズドン~~暗くなる…… 金はどうすることもできないしな~~。無い物は無い。物々交換ってわけにもいかんだろうし。 そうすると、家の電話が鳴る。 「はい」 早口に親父が言ってくる。 「双子たちは大丈夫か。 泣いているな。……可哀想に。 かあさん、峠は越した。 だから、すぐに帰れるぞ。よかったな」 親父は涙声になりながら伝えてきた。 そうだ。 おふくろ、事故に会っていたんだ…… おふくろが無事なら、なんでもいい。 それよりも……深刻なことを伝える。 「実はな、双子のミルクが無いし、金が無いんだ」 「そうか、そうか。 とうさんも一旦、うちに帰るから、その時に現金渡すからな。 ……母さんの入院のものとか揃えんとな」
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