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しかし当の先輩は、あまり気にしていないらしい。
「俺のお袋はさ、俺が中学に入って間もなく亡くなっててな。
元々病弱だったし、俺が小さい頃から入退院を繰り返してたくらいだから、
まぁ、それは仕方ないんだけどな」
そして彼が高校を卒業して程なく、父親が璃乃ちゃんの母と再婚したという。
「けどさ、本当は二人共、俺が中学を出るくらいの頃には出会ってたんだ。
だけど当時は、まだ俺が、難しい年齢、真っ只中だったからだろうな。
親父は、俺が成人するまで再婚する気はないって、
彼女の想いを、遠ざけてたみたいなんだよ」
しかし先輩は、隠しきれない二人の仲に薄々気付いていたらしい。
「今の嫁さんと親父、15も違うから、少しだけど俺の方が年が近いくらいでな。
でも彼女のほうが、そんな親父の気持ちも汲んで一途だったんだろうな」
だから彼は、大学入学と同時に、こっちを離れる決心をした。
そして、その時に、二人に結婚するように伝えたのだそうだ。
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