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校門の近くまでたどり着く。
さっきからチラチラとこちらを見る目。気持ち良くはないな。
「よっ!おはよう。」
背の高い男が後ろから抱きついて来る。
「おはよう。明臣」
重いので離して貰う。
キャラが違うって?それは前に言った通り腐男子とバレたくないから。
だって中学でバレたときの女子の目、マジでこわかったもん? ……男子が『もんっ』て言っても気持ち悪いだけだな。
「どうした?雄輔?」
おっとボケっとしてたみたい。
因みに、明臣こと、一條明臣は高校からの親友。
こいつはスポーツできるし、勉強もできる、顔は俳優並みのイケメン=モテる。
けど、高校のときは本命がいるって断ってたな?
良いよなそんな断り文句があるなんて。そのクオリティを俺にもわけてくれ?
「本当に大丈夫か?」
「あぁ、少し寝不足なだけ。」
やばっ、また自分の世界にはいってた。
「そうか? ……また、あの本のせいで?」
親友にはバレてます。他のやつにはバレてないけど。
「うん、まぁ。」
「ハァ」
ため息つかれたよ!?
「じゃあ少し寝てろ。ノートはとっといてやるから。」
「本当?ありがとう。」
微笑むと周りから悲鳴があがる。うるさい。
あれ?明臣も顔が真っ赤になってる。
「どうした?熱でもあるの?」
「い、いや。す、少し今日は暑いな。」
服をパタパタしている。
「そうか? 肌寒いと思うけど?」
「いいから、早く行くぞ?」
ちょっと、歩くの速い!!!
「なっ、待てよ!!!」
その一部始終を、あいつが見てるとも知らずに……。
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