ボーダーライン

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コンビニを出てアーケード街を歩くと閉まっている店舗をちらほら見かける。 不況の波はこんな所にまで表れているのか。 日本中何処でもアーケード街なんてものはこんなもの、なんて思っても仕方が無い。 資本主義は弱肉強食だからな。 馬鹿だな俺は、そんな当たり前の事を考えても何も変わりはしないんだぜ。 自分が食うか、食われるか只それだけの事。 そんな人もまばらな薄暗いアーケード街をふらふら歩いていると 路地から何者かに呼び止められる。 「おじさん、おじさん!」 俺か?俺っておじさんだったのか? 「俺のこと?」 そう言い振り向くと、少し奥まったビルから若い女の子が俺を見ている。 「そう」 そういう女の子はさっきのコンビニに居た女子高生だ。 少しドギマギしながら答える。 「何の用?」 何故だか少し声がうわずってる。 「ねぇ、おじさんお金持ってる?」
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