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熱に犯されたルナの瞳にグレイの姿が映り込む。その影はルナの上にゆっくりと重なり淡い色の唇を吸った。
頼りない蝋燭の明かりだけが揺れる部屋で、水を優しく掬うような音が響く。
口の中に入ってきたグレイの舌はルナの唾液を吸い上げながら淫靡な水音を鳴らしていた。
ねっとりとした甘い口付け。
怯えていた頃のルナはもう何処にもいない。
求めるように絡んでくるルナの舌先にグレイの唇から小さな溜め息が漏れた。
唇を重ねながら躰の中心が熱く疼く、そしてグレイはその火照る塊をルナの肉欲の波をうつそこへとあてがった。
「…っ…んっ……」
ルナの躰が大きくのけ反る。それと同時にグレイの躰にも一瞬震えが走った。
苦し気な表情の中に熱い何かが見える。口付けをした時と同じようにルナの中の柔らかな肉壁がグレイの塊に柔く強く絡みついていた。
「…はあ…っ…」
額にうっすらと汗が滲む。奥に引き込むように締め付けられ、グレイの唇からは息詰まった熱い溜め息が漏れていた。
無表情で余裕の笑みを浮かべる姿しか知らない。
ルナは初めて自ら求めたグレイのそんな表情にかすかに胸を疼かせた。
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