八章 月の誘惑(後編)

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・ グレイはルナの膣(なか)と外をゆっくりと行き交う。 互いの肉が交わる音 繰り返される呼吸 熱い快楽を絶え間なく与え続けるフィアンセという名の愛しい贄… グレイは自分に揺らされて躰を弾ませるルナを見つめ返した。 ルナ… やはりお前しか居ない 甘美な血も悦楽の快感も そしてこのせめぐような胸の疼きを俺に与えるのも… お前しか… 「くっ…」 グレイの狂おしい程の猛りがルナの中で一瞬弾けそうになる。グレイはそのたびに声にならぬ吐息を溢した。 燃えるとはこういうことをいうのか。 静かにさかる情念の青い炎 行方の掴めぬルナに不安と焦りを初めて味わされ、そしてリドリーに身も心もゆだねきった姿を見つけた瞬間にえもいわれぬ傷みが胸を貫いた。 その傷みさえも今はひどく甘美な痺れに変わっている… ルナ… お前は俺の最高の餌だ 揺れるささやかな乳房を眺めると、グレイは艶やかな視線を投げてゆっくりと舌舐めずりをした。 その唇から吐き出される吐息がやけに甘ったるい。 熱い溜め息と一緒にかすれた声で名を囁きながらグレイは揺れ動くルナの赤い蕾に柔く噛みついた。 「はぁ…ルナ……」 「やぁっ…ん…」 急に襲ってきた甘くせめぐ快感にルナの表情が切なく歪む。
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