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小さな乳房に何度も甘い痺れが走りルナは唇を噛んで吐息をこらえ、グレイはゆったりと波打つ律動を与えながら長い快楽を貪り続ける。
深まる月の輝きを窓越しに受け、妖しく動くグレイの背中を汗の粒が静かに伝い落ち、硬く引き締まったグレイの尻の間に吸い込まれるように流れていった。
「ああっ…」
舌先で撫でられ乳首に心地よいざわめきが与えられる。グレイに身も心も開放したルナの額には先ほどよりももっと色濃く鮮やかな逆さ十字が浮かんでいた。
グレイは滑らかな動きで自身の恥骨を擦り付ける。
「はあ…ルナ…っ」
闇の中でルナを見つめる黒い瞳が艶めく。
たまらない
無言のまま、その瞳だけがそう訴えかけてくる。
優雅だったグレイの律動が少しずつ早まると同時にその瞳が熱を帯び始め、グレイは呼吸を乱してルナを激しく揺さぶった。
◇◇◇
午後の陽射しが居間を明るく照らしている。ルナが真夜中の逃亡を計ったあの日から幾日かが過ぎていた。
食卓の上にはモーリスが用意してくれた煎れたての紅茶が湯気を立てていた。
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