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「はあ ここもだめだったか。」
俺は公園の少し木陰になっているベンチにすわりながらこんな独り言をつぶやいていた。
52社目。就職活動中の大学4年生。
残暑もまだ残っている九月中旬。
リクルートスーツを着てネクタイをしめ会社まわり。
俺は内定一つもとれてなかった。
そんな俺は就職難にぶちあたっていた。
大学のレベルはそんなに高くなかったが、祖父と2人暮らしの俺は祖父に負担をかけないために奨学金目当てで頑張った。
おかげで成績はよかった。
しかし面接がどうやらよくなかったようだ。
本音と建前 を使い分けて立派なことなんて面接でいえない。
その上シングルマザーのお袋が小学2年のとき死んで、祖父のところに世話になっていたのだが、その祖父も10日前、あっけなく山登り中転落事故で死亡。
独りか......
就職くらいちゃんとして死んだ祖父さん、安心させてやりたかったんだが......
どうでもよくなってベンチで下を向いたまま 大きなため息をついていた。
自殺..... 人はどんな時自殺を考えるんだろう。
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