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「ベンチは涼しそうやな。横すわってもええか」
「あ、どうぞ。」
じいさんは俺の横に腰掛けた。
「暑いな」
「そうですね。散歩ですか?」
アロハシャツのじいさんはニッと笑いながら答えた。
「足腰弱わらんようになぁ。気持ちは若いが体は正直や」
「うちのじいさんも同じこと言ってました。」
「一諸に住んでるんか。」
「一緒に住んでいたんですが、少し前に亡くなって今は1人暮らしです。」
「そうか独りはさびしいのう。それで元気なかったんか。」
「まあそれも大きいんですが......就職も決まらないし祖父も死んで1人だなって......
死んだじいさん安心させてやりたくって就職がんばろうとしたんですがなんか力でなくて......」
俺は初めて会ったじいさんにぺらぺらと自分のことを話していた。
あまり自分のことを他人に話すことはないがこのじいさんが死んだ祖父のようでいろいろ話してしまった。
爺さんはそんな俺の心境をじっと聞いてくれた。
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