100円~縁~

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「これ 受け取れ」 爺さんはさっき俺がひろって手渡した100円玉を俺に再び渡した。 「100円玉の表に描かれてる花なんかわかるか。」 「桜ですよね。」 と100円玉の表を見る。 「山桜や 花言葉知ってるか」 「俺 そんなん知りませんよ。」 「『あなたに微笑む』や。 山桜は山の急な斜面に負けずに育ち野山を彩るかっこいい桜や。花言葉も粋やろ?  山の中でひっそり咲くけどその姿を見た人はその山桜の美しさに思わず微笑んでしまう。 どうや? なんかお前さんみたいやなっと思ってな。」 「俺みたいですか」 「荒削りの中に強さと美しさが一緒にあるで。 やさしいさもある。君はええ子や。自信もちな。 運命の女神もあんたに微笑むやて。」 「ははは......」 くさいセリフをじいさんは言うが何か心に染みた。 涙ぐんでしまう。 「100円 縁起かつぎや。ええことありまっせ。持っとき。」 「あ、どうも」 ありがとう爺さん。
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