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角を曲がったところで座って壁にもたれかかった。今来た廊下に顔を半分だけ出して様子を伺う。キグルミは見えない。
ホッとしたのか、自分の息が荒いのにやっと気がついた。音がしないように息を整える。
(どんだけ広い屋敷だよ)
持たれている壁のすぐ右手にドアノブがあった。あまり期待せずに回してみる。
【カチャ】
開いたことにびっくりしてしまったが、すぐに切り替えその部屋に入った。
この部屋も本棚がびっしり並んでいる。
(また図書室か。)
このときになって初めて、自分がずっと本を持っていることに気がついた。
ここまでのことを考えると気がついていなかったことを仕方ないと思いながら、冷静にならなければ状況を切り抜けられない。
(冷静になろう)
(今自分がやらなければならないのは、どうやってこの館から脱出するか、だ。)
(脱出のヒントはどこかに無いのか。)
この図書室も明かりはついていて、書棚が壁一面に配置されていた。
(何か脱出の糸口はないのか?)
書棚の本を片っ端から開いてめくり、文字が開いてある所を探そうとして、すぐに自分の間違いに気づいた。
(背表紙の期間が短いものから探さないと)
まだ冷静になりきれていない自分に苛立つ。
背表紙で見ながら探していると、一日分の記録があった。
(これだ)
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