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「あんまり切れそうじゃないけど大丈夫か」
「ガシャ」
「なんだ光り始めたぞ」
「おい大丈夫かよ」
「そう書いてあるんだから大丈夫だろうわまぶっ」
「ガシャカラン」
「おい落とすなよ刃こぼれしてないだろうな」
「大丈夫そうだおい後ろ」
「わああああ」
「あああああ」
「よっしゃーいけるぞ」
そこまで読むとそのページを開いたまま本を床に置き、扉の方へ向かった。
ドアノブを握ってもいきなり廊下に飛び出すようなことはしなかった。
一瞬だけ大きく開いて顔を出し、両側を見るように右、左を首を振り、すぐ扉を閉じる。
(よし、キグルミはいない)
それから今度は静かにドアを開け、廊下に出る。
(どこだよ、光る剣は)
なるべく素早く、しかし廊下の角では一瞬顔だけ出し安全を確認してから移動する。
それを何度も繰り返し、屋敷の中を探しまくった。
角の先を覗いたときにキグルミを見かけることもあったが、迂回して接触を避けた。
何度もキグルミを見かけるうちに、キグルミは4色あることがわかってきた。動きのパターンがあるかもしれないとうっすら気づいていたが、確信は持てなかった。そこまで考える余裕もなかった。
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