本編

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4色とは、水色、赤色、ピンク色、オレンジ色だ。同じ色のキグルミを同時に見ることは無かったため、それぞれ1匹ずついるのだろう。 注意して廊下の角を曲がっても出会い頭に対峙する時があった。しかし必ずしも近くにいるからと言って自分の方に向かってくるとは限らなかった。 何時間逃げ続けただろう、もしかしたら一時間も経っていないかもしれない。時間感覚が麻痺するくらい集中していた。 不意にホール状になった場所に出た。玄関ホールと同じくらいの大きさだった。最初は玄関ホールに戻ってきたのかと錯覚したくらいだ。 ホールの先には第四図書室とプレートが掲げられている扉があり、ホールの右側の壁には僅かだが光っている剣が飾ってあった。 (これだ!) すぐさま剣を掴んだ。 剣が光を放ち始めた。2,3秒すると光が徐々に弱まってきたが、ある程度の光を放ったままだった。 (本のとおりだ。) (これで助かる。) (よしっ) 廊下からキグルミが二匹出てくるのが見えた。しかしキグルミはそれまでみたのとは違い、青色をしている。巨大だった目もところどころ潰れたピンポン玉のようだ。 剣を構えると、剣の威力を知っているのかすごすごと逃げていく。     
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