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達也は、ホールで剣を見つけたことで舞い上がり、他にあまり注意を向けてなかったことに後悔していた。
ホールからそれほど離れてなかったので数秒でたどり着いたものの、すぐに目に飛び込んできたのはタペストリーに描かれた剣だった。
(もう一本あるかもと思ったのはこれだったか)
もちろんさっき持ち出した剣が飾ってあった場所に剣が有るわけはない。
(どうする、あと2匹倒さないと。)
とりあえず図書室に隠れて対策を考えようと扉に近づいた。
金色のノブに手を掛けようとしたとき、オレンジのキグルミが扉を通過するように現れた。
(うわっ)
キグルミがガチッと歯を噛み合わせたそのちょっと先に達也の靴先が有った。
驚いて後ろに飛び退いた時に転びそうになっていたのが幸いした。運が悪ければ革ジャン男の二の舞いだ。オレンジのキグルミを振り切り、必死で逃げた。
しばらく逃げると、第二図書室というラベルの掛かった扉が見えた。部屋の中も安全ではないとわかっていながら、そこに駆け込み、呼吸を整えながら考えた。
(扉も通過してくるとは思わなかった。)
(最初に挟まれたのはそういうことだったのか。)
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