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呆然とし、言葉を失くした馨に千草はハッとする。
そしてすぐさま表情を硬くした。
どうしようっ
一番気を許してはいけない人に素の自分を見せてしまうなんて…
今まで、戒めのように感情を押し殺してきたのに、こんなことで…
なんて自分はこんなにも脆いんだろうか
千草は自分の荷物と、食べかけのサンドイッチを持って慌てたように立ち上がった。
「そろそろ時間なので先に失礼します」
絞り出した声は震えた。
馨は未だに放心している。
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