サンドイッチで朝食を

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      そんな馨の反応に千草は居た堪れなくなる。  その場から一刻も早く離れたくて、駆け出した。  どうしよう、今まで作り上げた塚本千草のイメージが壊れてしまった。  何のために今まで…  やはり、ここに来るべきではなかった。  自分を守る鎧は思った以上に脆く、弱いものだった。 強くあるために、纏った鎧。 少しも弱さを見せてはいけなかった。 見せてしまったら一気に崩れていくようで それなのに、一番見られたくない、気づかれたくない相手にそれを見せてしまった。    その場に残された馨は、千草が去った後でも、体制をそのままに固まり続けていた。  彼女が走り去ったことさえ気づいていないかもしれない。  それほどの衝撃だった。  千草が走ることも彼にとっては珍しいことだったが、それ以上のものを見てしまった後には何のインパクトもない。  しばらくして、ようやく呪縛が解けると片手で口元を隠し、ぼそりとつぶやいた。 「おいおい…」  そのつぶやきが、何を言いたかったのか、馨自身わかっていなかった。
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