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おほん、とわざとらしく咳を払い気持ちを入れ替える。
「千草ちゃんたちの仕事に対する姿勢を否定するようなことを言ってすまなかったね。私を満足させてくれるプレゼンを期待しているよ」
「はい、任せてください」
田嶋になんだか認めてもらえた気がして千草はなんだかくすぐったい気持になった。
「じゃあ私はそろそろ行くよ」
腕時計を確認して、千草の頭を再びぽんと撫でるといつもの人懐っこい笑顔を浮かべ、またねと去って行った。
千草はそれを見送ると、さっきまで重く沈んでいた気持ちが少し軽くなっていたことに気づいて、この偶然の出会いに感謝した。
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