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「嵐山涼クンね。俺は白金冴。こっちは本郷啓一。」 「白金さんと、本郷さん……。」 「何年生?」 「さ、三年生です。」 「なんだ、同い年じゃん。じゃあ嵐山って呼んでいい?」 「は、はい。」 「俺たちのことも呼び捨てでいいから。」 「え?!いや、それは、ちょっと……よ、呼び慣れていないので、あの……。」 「じゃあさん付け以外なら何でもいいや。」 「え、ええと……その……じゃあ、君付けは……?」 「うん、いいよ。よし、じゃあお互いの名前が分かったところで飯食おうか!」 「は、はい……。」  満足げにほほ笑みながら大口を開けてハンバーガーを頬張った白金君に、本郷君が尋ねる。 「名前が分かったのはいいけど、そもそもこれとはどういう関係なんだ?」  「これ」というのはどうやら僕のことらしい。白金君は唇の端についたケチャップを拭い、肩を竦めた。 「さあ。啓一のこと待ってたらいきなり声かけられた。『セックスしよう』って。」 「はあ?」  ほとんど動かなかった本郷君の表情が明らかに胡散臭そうに歪む。僕は慌てて言った。 「ち、違うんです、あの、あれは……!」 ―――あれは命令されてやったことだと言って納得してもらえるだろうか。 そもそもそれを口にしたことがさっきの三人組にばれたら、明日学校でまた殴られるかもしれない。 「あれは……。」  言いよどむ僕を見かね、白金君が口を挟む。 「まあ、別にそこはどうでもよくない?啓一だってクラブ行くとよく声かけられてるじゃん。」 「女にな。男に、それも真昼間に声をかけられたことはない。」 「そ?」  適当な相槌を打ち、白金君はもぐもぐと口を動かす。そして口の中のものを飲み込むと、本郷君のポテトに手を伸ばしながら言う。 「でも声かけてきたときに明らかに怯えてたし、なに聞いてもなかなか答えないし、たぶん本人がやりたくてやったことじゃないと思うよ。」 「え?」  
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