思い出

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いつも桜の木の下でピアノの恩師は一人で酒を飲んでいた。 人気スターだった面影はなくボサボサ髪に不精ひげ生やして。 幼い娘を人に託し、女遊びするからバチがあたったと昴とともに菜穂を育てた乳兄弟は憤慨していたが、トウマは事情かかえた女性を助けたかっただけなのだ。 暴走族もやっていたトウマだが薬と人を脅す行為は消してゆるさなかった。 そんなトウマだが桜の下では静かに酒を飲んでいた。 『ムチャはするなウルフ、そうだ俺の姫をお前にやるよ。だからな約束しろもう身を張ってムチャするんじゃね。『レッドスター』は解散だ。』 不思議な気持ちだここで式を挙げる。 世間に騒がれないよう身内で、桜が咲くころに。
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