最初の1カ月

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2、3時間たっただろうか、鈴谷も熊野も射撃の腕が飛躍的に上達し始めた。 「うふふ、ここまで当たると気持ちがいいですわ」 「なにこれー! ちょー当たるじゃん!!」 「そうか、それは良かったな。」 「提督ー! なんか必殺技みたいなの教えてよー!」 「必殺技?? 例えば?」 「うーん……一発で相手を轟沈できるような奴とか!」 「んー、 ないことはないけど……」 「まじで!? ちょー見たいんだけどー!!」 「でも、スナイパーライフルないとできないからなー」 『そんなこともあろうと、作っておきました!』 「あ、明石!?」 何故か俺の後ろにスナイパーライフルを持った明石が立っていた。 「駆逐艦達から面白い話を聞いて、作ってみちゃいました!」 「つくった!? どこからそんな材料が……」 「全部廃材ですよ。 機銃とかは廃棄されたりもしますからね。」 「すっげぇなぁ…… どれどれ……」 弾薬は…… 艦娘が使っているのと同じか。 艤装同様、特殊加工がされており深海棲艦にも有効らしい。 『警告、警告、南西方向から深海棲艦の接近あり、至急水雷戦隊は出撃してください』 サイレンが鎮守府に鳴り響き、深海棲艦の接近を知らせた。 周りはざわめきだし、多くのものは鎮守府に向かい始めた。 「ちょっと! 接近なんて聞いてないよ!?」 「私たちの方に向かってますし、向かい撃った方が……」 「その必要はない。」 『え?』 「私がここで威嚇する。」 俺はライフルを構え、スコープを覗いた。 敵は駆逐艦イ級が3隻。 おそらく書類で読んだはぐれ艦隊という奴だろう。 的との距離は400m、おそらく当たらないだろうが、威嚇射撃に撃ってみるか。 試しに射程確認のためにまっすぐ撃ってみた。 これぐらいなら100m飛べば十分だろう。 そう思い引き金を引くと、恐ろしい衝撃が俺に伝わってきた。 こんな衝撃はまるでショットガンを片手で撃っているようなものだった。 そして何よりも驚いたのが……
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