最初の1カ月

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―一日目 朝― 「みんな、おはよう。 私がこの鎮守府の提督になる真壁だ。 よろしく頼む」 艦娘を執務室に集めて挨拶をした。 艦娘の顔を見ると、不満そうな奴も居れば、期待の眼差しを向けてくる奴も居る。 「ちょっといいかい?」 「ん、誰だ?」 艦娘の中から私に向かって発言するものが現れた。 「白露型駆逐艦、時雨だよ。 なぜ今まで司令官の居なかった鎮守府に今さら司令官が来たんだい?」 「それは私の口から言うことはできない。 機密事項だ」 「本当かい?」 「実際のところ、私にもわからない。 上はいったい何を考えているんだろうな」 「ふーん……そうか。 失礼した」 「みんなも肩肘張らずに、聞きたいことは聞いてくれ。 私に答えられることは答えよう」 そして、朝の集会を終えた。 全員が執務室から出た後に、扶桑が戻ってきた。 「朝食くらいとってきてもいいんだぞ?」 「提督は食べずに資料を進めようとしてましたよね? その監視です」 「私は基本、朝食をとらないんだ。 だから、私にとっては普通なんだよ」 「なら、飲み物を淹れます。 何を飲まれますか?」 「そうか、ありがとう。 では、コーヒーを頼む。 濃い目で」 「お砂糖とミルクはどうしますか?」 「ミルクは淹れたいが、別に持ってきてくれ。 途中で淹れたいんだ」 「ふふっわかりました」 扶桑が隣の給湯室に向かっていった。 艦娘もコーヒーを飲むんだろうか。 いや、弾薬や燃料やボーキサイトはあくまで艤装や艦載機が使ってるだけで艦娘たちは別に石油を飲まないと昨日聞いたな。 ということは、食事は普通なんだな。 「提督、コーヒーが入りましたよ」 「ありがとう、扶桑さん」 コーヒーをブラックで一口飲んだ後に、書類を見てみた。 内容は任務や、定期補充の資材スケジュール、海域の情報などだった。 「ふむ、これでは終わりそうにないなー」 「今までの分もありますので……申し訳ありません」 「いや、いいんだ。 この仕事も含めて任命されたんだ」 そして、読み終わった資料を地面に並べ始めた。 おそらく、並べていけば分かるものもあるだろう。
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