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結婚式当日。
俺が海外出張で式に出られないと思ってる美玲と健一の元に、喪服を思わせるような漆黒のスーツを身にまとい駆けつけてやった。
二人の目の前に御祝儀という名の札束を叩きつける。
そこで美玲に俺と健一が恋人同士だという事実を突きつけたのだった。
『俺はお前と永遠に離れないから』これは健一に向かって吐いた台詞だったが、実は美玲にも向けられている。
本当はこの場で俺がずっと昔から美玲の事を愛して来たことも暴露するつもりだった。
それが健一への復讐になるだろうから。
だが、予定変更だ。
「はっはっは!みんながドン引きしてるからネタバラシするけど、これはドッキリだよ。俺なりのサプライズさ。健一そして……お姉さん、結婚おめでとう。ここにいるみんなが祝福してるんだから、絶対に幸せになれよ!」
ここで式を滅茶苦茶に壊すより、これからの三人の関係をどう壊していくのか考える方がより楽しめそうだからな。
俺からの過分な御祝儀は、健一と美玲を縛り付ける首輪だ。
お前らが指輪に愛を誓ったのなら、俺はその金の首輪でがんじがらめの愛を誓う。
絶対に逃がしたりなんかしない。
永遠に許さないから。
END
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