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「この子には思い出が詰まってるんれす。だから捨てるに捨てられなくて。でも、思い出が詰まってるからこそ、この子を手放して気持ちにケリを付けたいんれす。もうあんなゲス男のことは忘れて前に進みたいんれす」
なるほどね。まぁ確かに、そんなもの大事にとっておくようじゃ、彼氏への思いを吹っ切るなんて無理かもしれないな。
すると、今まで時野の愚痴にずっと相槌を打っていたママが、初めて自分の意見を口にした。
「少し話していいかしら」
泥酔している時野の代わりに、俺が相槌を打って話を促す。
「これは物についてのお話」
そう言うと、ママは少し遠い目をして話しだした。
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