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俺の名前は梅島タカユキ。年齢は三八歳。
趣味は新幹線の絵を描くこと。
暇を見つけては新函館北斗駅に行き、新幹線の絵ばかり描いている。
当然だが、そんな俺はモテた試しがない。
なのに、なのにだ。今、俺の隣には女がいる。しかも可愛い。
カウンターに座っている俺の隣で、一緒に酒を呑んでいる。
女の名前は時野ユリ。俺の部下だ。
艶やかな黒髪。目鼻立ちが整っていて、長いまつ毛が、大きな目を覆っている。
男勝りで大雑把なところもあるが、まぁそれを差し引いても正直かなり可愛い。
羨ましい状況だと思うだろ?
ところがそうでもない。
何故なら、時野はさっきから完全に呑んだくれて、管を巻いているからだ。
どうしてこうなったかって? じゃあ少し遡ってみよう。
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