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-数時間前-
今日は休日で、俺は朝から趣味である新幹線のスケッチに出掛けていた。
H5系は実に美しいフォルムの新幹線だ。車体上部は「常磐グリーン」と呼ばれる鮮やかなメタリックグリーン、下部は「飛雲ホワイト」、その間を帯状に「彩香パープル」が配されている。
長いノーズに美しい曲線が付けられ、全体の色合いも相まって、とても未来的な外観となっている。
何度観ても美しい。
この情熱を女に向けることができたら、俺はもう少しモテたかもしれないとよく思う。
まぁしかし女が面倒な存在なのも事実。例えば、オタク趣味な男を見下したり、急に不機嫌になって喚いたり。女が何を考えているのか俺にはさっぱりわからない。
そんなことを考えながら、行き来する新幹線を眺め、ペンを走らせる。
夢中で描いていると時間なんてあっという間だ。
腹が減ってきたところで、スケッチを切り上げ帰宅することにした。
部屋に戻ると3時を回っていた。遅い昼飯を食べていると、突然ラインの通知が鳴った。予想外の相手から着信で一瞬ラーメンが喉に詰まる。職場で可愛いと評判の時野からだった。
<梅島さん! 今からお部屋に伺ってもいいですか!?>
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