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しばらくして玄関のチャイムが鳴る。一回鳴らせばわかるものを、彼女はチャイムを執拗に連打した。
急いでドアを開けると、今にも泣き出しそうな顔の時野が立っていた。
「梅島さん……うあああああああん」
「お、おい、どうしたんだよ時野」
顔を合わせた瞬間、時野は大声で泣き出した。
「グスン……梅島さん、私、彼氏にフラれました……うああああああん」
「おいおい、玄関で泣くな。あー、えっと、とりあえず部屋に入れ」
俺はグズる彼女をソファに座らせ、温かいお茶を淹れてやった。
彼女はうちのティッシュをありったけ使ってひたすら鼻をかみまった。俺も自分のカップにお茶を注いで、彼女が一段落して落ち着くのを待っていた。
「とりみだじで、ずびばぜん」
「……まぁ別にかまわんが。んで? 何があったんだ?」
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