自殺します。

死ぬのって難しい。
よく自殺したって話をテレビで見るし、身近にも決行した人はいる。

何を考えていたのだろう？
どうして選んだのだろう？
それ以外に選択肢は無かった？
私だって現状に嫌気がさして、逃げ出したくて自殺する事にした。

でも、巧くいかない。
覚悟が足りないだけ？

死を考えるとその後の事を思い浮かべる。
この部屋の物はどうなるのか。
見付けるのは誰？
見付かるのはいつ？
その時の私はどんな風になってるの？
身綺麗にしてても腐乱してたら意味ないじゃない。

葬式はだされるの？
参列者は？ 泣く？ 笑う？
後始末なんて面倒を起こして怒り心頭かしら？

全てに幾らかかるのかしら……私、財産なんて待ってない。
全財産１００１円だ。

「アイツのせいなのに……」

おにぎりを食べ終え、暖かいお茶を飲みながら目の前を睨みつける。
諸悪の根元。
きっとあの男は私が死んでも何も思わない。
バカな女だと嘲笑するだけだ。

悔しい。
腹立たしい。
懲らしめてやりたい。
ふつふつと沸き起こる怒りに体の中をどす黒いものが駆け巡る。

そうだ……アイツを殺してやろう。